生物多様性ツアーとは?坂田マサコさんの箕面山ガイドから学んだこと②

こんにちは。ギボンヌです。

2021年10月24日に箕面山で開催された坂田マサコさんの生物多様性ツアーに参加してきました。

その第2弾です。

面白すぎたので、一つにはまとまりませんでした。第4弾まであります。

このツアーは自然農をされていて、農業指導をされているトランジションR171牧馨さんの主催でした。

トランジションR171

トランジションR171
大阪の北摂(箕面市・茨木市・吹田市・高槻市・豊中市)でトランジションR171(トランジション ルート イナイチ)が立ち上がりました。箕面市にある農地で野菜を作り、地域で流通させていく仕組みを作ったり、その次には野菜作りの出来る人を増やす事で、この地域でも増えてきた耕作放棄地を農地として維持する活動を行っていきます。

生物多様性ツアーは正直言うと、どんなものかも分からなかったのですけど、なんだか今の私にピンときたんですね。

今回は生物多様性ツアーとはどんなツアーなのか?坂田マサコさんと箕面山に行って学んだことや、ギボンヌが感じたことを4回にわたってまとめています。

生物多様性ツアーとはなにか?坂田マサコさんについての情報はこちらからご覧ください。

生物多様性ツアーとは?坂田マサコさんの箕面山ガイドから学んだこと

第2弾ではキノコ・コケのこと、土の成り立ち日本の森日本の植物のたくましさについてまとめています。

坂田マサコさんからキノコ・コケのことを学ぶ

コケは風が好き。

風が動く方が良いのだそうです。

コケの生えている場所をみると風の通り道がわかるといいます。

滝道の沢に生えている木は風の通りがいいらしく、よくコケが生えていました。

寒くなり乾燥して枯れているように見えるコケも水をかけてやると鮮やかな緑色になることを目の前で見ました。

キノコが木を分解するとになっていきます。

サルノコシカケが木に生えて来た時は、「この木はもう逝くときが近いんだな」ということなのですって。

その木の中はサルノコシカケによって分解されているのです。

キノコが倒木に生えて分解していき、そこに生えてくるコケは分解しすぎないようするのだそうです。

自然にバランスされていることがわかります。

木や石に生えている地衣類はサンゴのなかまですが、まだ実態がわかっていないのだそうです。

坂田マサコさんから木のことを学ぶ

箕面山に入ると、照葉樹と針葉樹が近くに生えていることがわかります。

モミの木、イロハモミジ、椿、樫がそばに生えているのは箕面ならではなのだそうです。

よく見る「一面、スギ、ヒノキ」というのは異常なのだって。

木は根では届かないところは菌(菌根菌)が栄養を集めて吸収しています。

地面の下では木と木の根っこから伸びる菌糸で繋がって他の木にも栄養を分け与えているのです。

地中では巨大なネットワークでつながっているのですね。

森にはマザーツリー(主のような存在の木)が存在します。

その大木は広く、また深く根を伸ばして、沢山の栄養を吸収することができ、たくさんの情報を持っています。

そのマザーツリーと他の木は土の中で菌糸を伝って情報交換することができます。

1km、2km離れた木でも繋がっているのだそうです。

日本人は昔から失敗を経験していました。

一本の大木を切ることで、森全体をダメにしてしまうという経験でした。

マザーツリーは自分の子を優先することが研究でわかっているそうですが、どうやって自分の子を分かるのかは解明されていないそうです。

私たちには見えていない地面の下にもう一つの森があるということなのですって。

木はTwitterとかSNSのような感じで、情報を多く持っている人と繋がりたいのです。

SNSや人と人の繋がりも、木々と同じで、私たちも自然なのだと感じるお話でした。

アラカシ(どんぐり)は森のネズミの量を調節しています。

豊作の年と不作の年を繰り返しどんぐりの量を調節しているのは、全部食べられるのは困るからです。

不作の年は生き残るネズミが少なくなるので、次の年は全部食べられずに残るのです。

こうして自然はバランスされているので、人間が作為的にどんぐりを撒くのはよくないのですって。  

私たち人間が頭で考えたようなことではなく、生物たちには根源的な生存の能力があるということですね。

まさに、余計なお世話、という感じです。

くすのきは一枚一枚の葉にダニを飼っているのだそうです。

箕面ではくすのきを近くてみつけることができず、ルーペで観察できませんでしたが面白いお話でした。

くすのきには1枚の葉っぱの裏に肉食草食のダニがいて、それぞれのダニ部屋があるのだそうです。 

草食のダニが増えすぎると肉食のダニがでてきてバランスされます。

小さな世界もバランスされているのです。

面白いですね。

箕面にはツバキがあちこちに生えています。

野生のツバキはヤブツバキユキツバキですか、現在は品種改良されて400種くらいあるそうです。

ツバキは食べられます。天ぷらにしてもいい。

天ぷらにすると同じ味になってしまうけど、見た目に綺麗なのをたのしめます。

ツバキのように冬に咲く花はミツが多いのだそうです。

花びらに4つ穴があるとメジロがミツを吸った後なのですって。

爪でつかまってミツをすうからなのだそうてす。落ちた花も観察して楽しめますね。

コブシ(モクレンの仲間)は氷河期を生き延びています。

コブシの実は拳のような形をしています。

それを鳥が食べます。

コブシとしては、実を全部残さず食べて欲しいと思っています。

残った実は糸を出して鳥をよせて食べてもらうのです。

ヤマザクラはサクランボをつけるのですが、それはヒナが生まれて巣立つころに実をつけます。

これがすごく小さい。

なぜならこれはヒナの口の大きさに合わせて小さいのです。

ヤマザクラヤマガラ、シジュウカラ共生関係にあるのです。

こうした繋がりをみるだけでも、一種の木が減ると多くの生物の命に影響を与えることがわかりますね。

が森に沢山咲いていると「わぁ綺麗!」と思うけど、林業の人は藤を良く言わないのだそうです。

藤が茂っていると「手入れをしていない」ということになるのですって。

藤は木にまきついて絞め殺すのです。

だから嫌がられているのですね。

けれども、実は藤は弱ってきてそろそろ逝く木に巻きついているのです。

元気な木には巻き付かないのですね。

つまり、理由があって巻き付いているのですね。

坂田マサコさんから土の成り立ちを学ぶ

箕面の滝道をすこし脇に入ったところに、倒木を積んでいる場所がありました。

そこは地面がフカフカしているのです。

これはこの倒木がキノコ微生物によって分解されて木が土になっていくことによるものだそうです。

分解されてまもない木はおがくずのようで黄土色をしていますが、菌による分解がさらに進むと焦げ茶色になります。 

その焦げ茶色をぎゅっと握ると軽く塊になるほどの湿気があります。

まさに上質な土、という感じでした。

そのため、周りの地面と比べても全然違うフカフカになっているのですね。

おがくず状態からコゲ茶色になるまで場所にもよりますがだいたい半年くらいかかるそうです。案外早いなぁと思いました。

坂田マサコさんから日本の森について学ぶ

日本の森はグラデーションがあるのが健全だと坂田さんは言います。

ケヤキ 30m

アカメガシラ 10〜15m

ツヅキ 5m

シキミ、センリョウ、マンリョウ 低木

 

日本には照葉樹、針葉樹、大小の木と草があります。

その全てでバランスされた健全な森になっているのですね。

箕面山や坂田さんがガイドをされている高尾山南北の木が混じってはえる貴重な環境なのだそうです。

だからこの2つの山は低山でありながら、昆虫三大生息地なのでしょう。

昆虫三大生息地とは、高尾山(東京)、箕面山(大阪)、貴船山(京都)です。(調べました。関西に2つあるのは驚きでした。)

坂田マサコさんから日本の植物のたくましさを学ぶ

日本の植物はレジリエンス(回復力)が異常に強いのだそうです。

だから日本人は他の国より農薬を使ってしまうのです。

外国人はそれを羨ましがります。 

坂田さんが高尾山にトンネルを掘られて落ち込んでいたら外国の友人にこんなことを言われたそうです。

「マサコ、大丈夫!高速道路を毎年草刈りするのは日本くらいだから!」

外国ではそういうことがないのだそうです。

一度刈ったら終わりなのだそうです。

全然知らなかったことでした。

なぜ日本の植物はそんなに回復する力が強いのでしょうか?

日本の植物が強いのは「水」だそうです。

そして四季があることも大きい。

日本は火山列島で水道(みずみち)という地中に水が流れる隙間があります。

伏流水、地下水が血管のように流れていて、山には生水が湧いています。

もしも日本人がいなくなったら、日本列島はまたたくまに森になってしまうでしょう。

どこでも木が生えるのです。

日本にはもともと草原はないのです。

 

植物の種類も世界に類を見ないほどに数が多いです。

高尾山1500種、箕面山は約1000種

それにくらべ、イギリスは1600種

小さい山ひとつで一国の植物の種類と同じくらいに多いのです。

虫も多いです。

高尾山はカミキリムシだけで150種います。

けれどもいくらレジリエンスが強いからと言って、人間がやりたい放題やっているのでは追いつかないのです。

おわりに

第2弾はここまでです。

良かったら第3弾も覗いてみてください。

最後までお読みくださりありがとうございます。

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